本研究では慢性疲労の予防を主眼として、勘弁・迅速な肉体疲労度評価法を開発するための基礎的検討を某大学の箱根駅伝選手を被験者として行った。結果より、持久性の強い運動が慢性的に繰り返されている場合には、主観的な疲労の調査だけでは肉体的な負荷を見過ごす可能性が考えられ、肉体的な疲労状態を客観的に推移することが競技成績の向上や運動による障害の防止を含めて重要であると思われた。従って、微量の血液から簡便で迅速に検査が行え、結果を調査現場で直ちに被験者や指導者に伝えることができるドライケミストリー法による血清酵素活性の検査は肉体的疲労度の評価として有用であると思われ、オーバートレーニング状態への推移を予防する上でも非常に有効であると考えられた。